Allen&Heath XONE:4Dのフェーダー交換をした話
DJ機材の話。
僕は今、Allen&Heath XONE:4DというDJミキサーを使ってます。
なかなかマイナーな機種であまり使っている人を見ないんですけど、アレヒのアナログ4chミキサー+豊富なmidiコントローラーといった構造が好きでかなり気に入ってる1台。
EQに関してはアレヒらしい4バンドEQではなく3バンドEQなんだけど、僕が好むジャンル的に(というか僕のスキル的に)4バンドEQをじっくり使いこなせないと思うので、個人的には3バンドEQの方がありがたい。
そんな溺愛しているXONE:4D、最近ちょっと不調を抱えてました。
4chの内の1つのチャンネルで、フェーダーを操作すると「バツッ」といったノイズが発生するようになった。より具体的に言うと、チャンネルフェーダーのHi側(フェーダーを一番上まで上げたところ)付近でフェーダーを動かすとバツバツ鳴って、フェーダーを動かさない限りはノイズは鳴らない感じ。
フェーダーの可変抵抗接点あたりにゴミでも入ってるんだろうと思い、エアーと接点復活剤を吹いてみると一時的には解消するんだけど、またしばらく使っていくと再発。そしてそれを繰り返して誤魔化し続けていたものの、いよいよエアー+接点復活剤で解消しないようになってしまった。
もうどうしようもないので、パーツ交換をすることを決意。
最初は素直に販売代理店に修理を出そうと思ったけど、どうも保証が切れてる物だと相場で5万以上かかるとのことでやめた。何事においても餅は餅屋の精神で生きてますが、ちょっと今回の餅は別格すぎた。自分でやります。
とにもかくにも、まずはXONE:4Dの分解をしなければならない。
ただ、インターネットの海を探しても、なかなかXONE:4D分解の記事などは見つからず、唯一見つかったのは下記のアグレッシブな動画のみ。
動画、"解体後"なんだよな…
ただ、この動画のおかげで構成されるユニットの形状やレイアウトの雰囲気はなんとなくわかったので参考になりました。サンキュー、優しい微笑みの海外のお兄さん。
あとはもうどうしようもないので、それっぽいネジ類を片っ端から全部外してバラしました。
「ネジこんなに外さないといけなんですよ~~(それをやった俺カッコいい)」的なドヤった写真上げてますけど、バラした後に理解しましたがフェーダーを交換するだけならこの90%は外さなくていいものでした。
天板の皿ネジと背面(RCAコネクタ部)のトルクスネジのみ外せばOKです。
摘出したフェーダーユニットがこちら。
ここで念のために、故障個所の特定確認をした。
疑わしいフェーダーユニットを正常だったチャンネルの物と入れ替えてみると、ノイズ発生も入れ替え後のチャンネルに移ってたので、フェーダーユニットのパーツが原因であることを確定。…トラシューやる時って、故障個所を明確に確定しないまま雰囲気で対策を投入したくないんですよね。スッキリしない。
故障個所の特定ができた(=発注するパーツが決まった)ので、とりあえずバラしたパーツを全部掃除して、組み立て直して復旧。
エタノールあると清掃が捗ります。分解をしなくても、普段のちょっとしたクリーニングでも活躍するのでおすすめ。
で、ここで若干のやらかしをしてしまう。
フェーダーユニットのコネクターロック(黄色い小さな部品)を1個紛失した。この記事を書いている今も未だに見つかってない。どこ行っちゃったんだろう…
スペア品を買おうとパーツ販売ショップ(詳細は後述参照)にも、こんな子部品の取り扱いは無く、メーカーに問い合わせても恐らく供給は不可能とのこと。こんな地味な入手不可部品で悩まされるとは…
構造的にこれが1個無いだけで別に問題はなさそうだけど、どうしても気持ちが落ち着かない。どうにか解決を図りたい。
買えないのであれば、作れば良いじゃない。
作りました。
黒いのが自作したもの。知人の3Dプリンターを拝借して作った。かなり良い感じにできたと思う。
3Dデータはオリジナル品にノギスを当てて実寸測りながらCADで自作。
Autodesk Fusion360なら個人での非営利用途であれば誰でも使えるので、DIY用としてめちゃおすすめです。操作もわかりやすいし。(やりやすいかどうかは別)
3Dプリンタのおかげで"修理の為の作業でトラブルを増やす"という愚行を無かったことにできたので、フェーダーユニットの注文に移ります。
今回はSBS Audio Visualというイギリスのショップのお世話になりました。
DJ含めた各種機材のパーツ売りが充実してて、特に何故かAllen&Heath XONE:4D用パーツが異常なほどに充実しているショップ。ここの販売パーツだけでXONE:4D組めそう。
メールでの問い合わせに対しても即日で返事くれるし、かなり頼れるショップです。
ショップのトップページに"𝑵𝑬𝑿𝑻 𝑫𝑨𝒀 𝑫𝑬𝑳𝑰𝑽𝑬𝑹𝒀"とあるように、イギリス国内であれば翌日納入らしい。それであれば、日本向けついても数日で発送はしてくれそう。
注文から19日後、無事に発送されました。
しかも、なかなか発送通知が来ないので僕の方から「送ってくれた?」と問い合わせをしたら、翌日に「今日送ったぜ!」という返事と一緒に発送された。蕎麦屋の出前メソッド、イギリスにもあったのか。
まぁ、明らかに対応を忘れられていた感じなんですけど、このおかげで人の手で対応してくれてる感が伝わってきてむしろ好きになっちゃったな。メールの返事は早いです。
そして今日、4月12日。ちょうど発注から1か月。無事にパーツ届きました。
届いた🤗🤗🤗🤗🤗🤗 pic.twitter.com/Fv6oLX8jjm
— 皿洗い@七人の侍 (@wrx_overrun) 2021年4月12日
これまでのオーバーホールやコネクターロック組み込み等で何度もバラしてたおかげで、今では5分もあればフェーダー交換はできるようになってしまっているので、サクッと組付けて一連のノイズ修理は完了です。(サクッとやったので、写真撮ってなかった…)
フェーダー換装終わり。ノイズも解消して完全勝利を収めた🤗🤗🤗🤗🤗🤗
— 皿洗い@七人の侍 (@wrx_overrun) 2021年4月12日
パーツ代金の約40£で解決できたし、オーバーホールのやり方も学べたのでかなり良いDIYになりました。
今日からまたDJ遊びを頑張っていきますよ~!